子犬を迎える前に必要な心の準備と、知って欲しい病気のケア

獣医師さんのコラム

犬も人と同様、様々な病気にかかります。このコラムでは、これから子犬をお家に迎えたい人に読んで欲しい、初めての動物病院そして日々のケアについて、簡単に説明します。

ポメラニアン7か月

子犬をお迎えしたら動物病院で健康診断

まず子犬をお迎えし家族やお家に慣れてくれたら、動物病院で健康診断を受けてみましょう。

健康診断と言っても人間ドックのように血液検査、レントゲン、バリウムなどの大変なものではありません。触診、視診、聴診、検便、必要であれば皮膚の検査といった簡単なものです。

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ペットショップや保健所など犬がたくさん集まっているところでは、目に見えづらい病気が広がっていることが考えられます。特に多いのが、耳の病気、咳が出る病気、お腹の病気、皮膚の病気です。

耳が臭い、焦げ茶色の耳垢が出る、かゆがって頭を振るなどの症状がある場合、耳の中にミミダニというダニが住み着いている可能性があります。

また、コンコンと咳をする時には子犬の風邪(ケンネルコフと言います)にかかっていることもあります。うんちがゆるい時にはお腹の中に寄生虫がいるかもしれません。

そして毛が部分的に薄い、フケが出る場合、カビが生えている事もあります。体をかゆがる、おしりまわりを触ると脚をばたばたさせる時はノミがついているかもしれません。

これらは全て、犬同士で移る病気ですが、治療をすればきちんと治せるものですので、動物病院でしっかりチェックしてもらいましょう。

また初めての動物病院では、混合ワクチン、狂犬病ワクチン、フィラリア症予防、ノミダニ予防、避妊去勢手術についても聞きましょう。月齢や時期によっては同時に開始する必要があります。

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この際、犬の生年月日やワクチン接種歴、その他病歴の載っている書類を持っていくようにしましょう。

大切なのは毎日のスキンシップと体のケア

日々のケアとしては犬をよく観察し、よく触れあうことが最も重要です。例えば、目やにが多い、鼻水が出ているなどのパッと見ただけでわかることや、よく触ってやっと気付くしこりなどもあり、やはりそういう小さな変化に気付く飼い主さんは、犬にたくさん話しかけ撫で撫でしてスキンシップをとられています。

顔を触らせる (1)

顔を見て話しかけ、頭からお尻、足先、しっぽまでよく撫で、耳の中を覗き、うんちやおしっこもチェックしてあげましょう。爪切りも大切です。お外をよく散歩している大型犬の子では地面と擦れることでお爪がきっちり削れていることもありますが室内犬やお散歩が苦手な子はどんどんお爪が伸びてしまいます。

伸びたお爪の中では血管と神経まで伸びてきてしまいますので次の爪切りが大変ですよ。引っ掛けて根本から折れちゃった…と言って血を流しながら来院する犬もいますので、痛い思いをさせないよう定期的に爪切りをしてあげましょう。

最後に、忘れがちなのですが肛門腺のケアも必要ですね。肛門腺というのは犬の肛門のすぐそばにある腺で、臭い分泌物を出します。この分泌物を、うんちをする際に一緒に出すことが出来る子と出来ない子がいます。そしてこの分泌物は貯まりすぎると腺が腫れ、化膿し、酷いときには破裂して肛門の横に穴が開いてしまうこともあります。

月に一度は絞ってあげましょう。また、分泌物の貯まるスピードもその子その子によって違いますので、お尻を地面や床にこすりつけていないか、肛門付近を気にして舐めていないか、腫れはないか、よく観察してあげましょう。

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最後になりますが、やはり早期発見早期治療というのは、犬の医療においても非常に大切なことです。かゆみ、痛み、苦しみにいち早く気付いてあげられるよう、動物病院での健康診断とお家でのスキンシップを大切にしていきましょう。

特に子犬のうちに身体中を触って、目も耳もお口のなかも飼い主さんに触られることに慣れておけば、大きくなってからのケアやいざ病気になったときの治療もしやすくなりますよ。

犬の病気について詳しいのは獣医師ですが、その子本人の状態や性格を一番分かっているのは飼い主さんです。大切な家族の一員として、大切に育ててあげてくださいね。

(ライター:ゆいべたりなり)

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