犬が下痢をしてしまったら?下痢は怖い病気のサインであることも

獣医師さんのコラム

人と同じく犬も、簡単なことで起こす下痢もあれば、怖い病気のサインであることもあります。

このコラムでは下痢の原因やお家でできる対処法を説明します。

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犬が下痢をしてしまった時に知っておきべき6つの原因と対処法

下痢の原因としては冷え、食あたり・中毒、寄生虫感染、ストレス、感染症、炎症や腫瘍などが挙げられますので順に説明します。

①冷えによる下痢

冬場でも犬はお散歩に行きますよね。

童謡では犬は雪の中でも元気にはしゃぎまわっていますが、寒さに弱い犬種や個体では足の裏や耳の端が霜焼けのようになったり風邪をひいたり下痢をしたりします。

また、暑い夏におやつとして氷をもらったらその後下痢をしたなんて事もよくあります。

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<対処法>お部屋、体を暖めてあげましょう。

冷たいフローリングや玄関で寝ている子には毛布やタオルケットを敷き、お腹を冷やさずに済むように環境を整えてあげましょう。

②食当たり・中毒・異物による下痢

飼い主さんのご飯を食べた、フードを変えた等はないですか?

合わないフードになると突然下痢をする場合もあれば、少し日数を空けてアレルギー症状として下痢をすることもあります。

また、飼い主さんのお薬を、錠剤をパクパク食べてしまったり軟膏をペロペロ舐めてしまったりという事もありますし、お部屋の観葉植物を食べてしまう子もいます。

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中毒や異物ではまず嘔吐を起こしその後、下痢を起こす場合が多いです。

またその場合、腸粘膜が傷つけられ血便をすることもあります。

<対処法>フードを変えた、いつもと違うおやつをあげた時には、フードを以前のものに戻す、おやつを中止することで下痢も落ち着くかと思います。

中毒や異物の誤飲が疑われる場合には、食べてしまった物が残っていればそれを持ってすぐに動物病院へ行きましょう。

③寄生虫による下痢

子犬ちゃんやお散歩に行く犬の下痢が止まらない場合にはお腹に寄生虫がいるかもしれません。

<対処法>動物病院で検便をしてもらいましょう。また、寄生虫の卵には土壌中で犬に食べられるのをまっているものもあります。

その土の上を犬がお散歩したり、庭で飼われていたりすると、犬が土の匂いを嗅いだりペロっと舐めたりした際に飲み込んでしまい感染します。

動物病院で感染が確認され、駆虫薬を飲んでも治らない、再感染しているような時は、お散歩コースの変更や庭の土の入れ替えが必要になります。

④ストレスや緊張による下痢

いつもと違うことをしたり、知らない人がお家に来たり、お家の近所で工事をしていて一日中騒音があったりと様々な事がストレスとなり下痢をする子がいます。

<対処法>普段の環境に戻してあげましょう。

⑤感染症による下痢

子犬ちゃんの下痢で恐ろしい病気というと犬パルボウイルス感染症です。元気も食欲も無く、血の下痢とともに嘔吐も起こすので脱水になりやすくとても危険な病気です。

<対処法>子犬ちゃんが下痢で元気が無く血便や嘔吐をするときは一刻も早く動物病院へ行きましょう。

予防のためきちんとワクチン接種をさせてあげましょう。

⑥腸炎や腫瘍による下痢

ちょっとした腸管の炎症で下痢をした場合から腫瘍や異物など命に関わる場合まであります。

特に血便やねっとりとした黒い下痢をしていたり、下痢と嘔吐を同時に起こしていたりする場合は、重度の胃腸炎や腫瘍、潰瘍、異物がつまっている等の危険なサインですので、すぐに動物病院へ行きましょう。

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冷えやストレスが原因として心当たりがあり、犬自身もケロッとしていて食欲も元気もあるなら、お家で様子を見てもよいでしょう。

下痢は嘔吐と同様に、体内の水分が出て行ってしまうので脱水に注意しましょう。

お家では冷えていないお水を少しずつあげてくださいね。

また、お腹を休ませる意味で、ご飯の量を少なくするか1食抜いてしまっても良いでしょう。

元気も食欲もない、下痢が続く、血便や黒い便が出る場合には早めに動物病院へ行きましょう。

動物病院へかかる際には、下痢の色や性状、頻度などをメモして行くと診断の助けになり、より的確な治療を受けられます。

性状としては、水のようなさらさらの下痢なのか、べたっとした軟便なのか、ぷるぷるのゼリーのような物を含む下痢なのか、血は混じっていないか等をチェックしておきましょう。

実際の下痢便を持っていくこともオススメです。

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また、何か変な物を食べた中毒が疑われる場合には、その物を持っていくようにしましょう。

動物病院では、整腸剤や下痢止めを使うこともあれば、フードを高繊維食にしたり特定のアレルゲンを除いたフードにしたりという治療もあれば、血液検査やエコー検査、内視鏡検査まで必要に応じて検査を行うこともあります。

いずれにしても早期治療が一番ですので、飼い主さんが異変を感じたら早めに動物病院へ連れて行ってあげてくださいね。

参考文献「獣医内科学 小動物編 文永堂出版」

(ライター:ゆいべたりなり)

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