トイプードルは頭が良くて人懐っこく、温厚な性格の上に毛が抜けにくいという特徴を持った小型犬の為、室内飼いに最適で、ふわふわの毛質で色々なヘアスタイルを楽しめることから、最も人気がある犬種となっています。
反面、外で飼うには不向きで、常に家の中で飼い主と一緒に過ごせないと精神的に不安定になったり、毛が抜け落ちない為に常に伸び続け、美容室でのカットやトリミングなどのお手入れが欠かせません。
小型犬ですので、フード代は少なく済む方ですが、カットやトリミング、耳や足の裏の毛のお手入れなど、手間とお金が掛かる犬種です。
しつけや体の大きさの面では、初心者やマンションでの飼育にも向いていますが、その分時間とお金を掛けてあげなければいけません。
トイプードルの飼育に掛かる費用はどれくらい?
まずはタイミング別にトイプードルを飼うのに必要な費用をまとめてみました。
※以下参考図書
最初に掛かる費用
子犬を引き取る月齢にもよりますが、生後2ヶ月程度で母犬の免疫が切れますので、ブリーダーやペットショップは早めにワクチンの接種を行っていきます。
生後1ヶ月半くらいで1度目、2ヶ月半くらいで2度目、3ヶ月半くらいで3度目のワクチンを接種していますので、ワクチンが実施済みであった場合でもワクチン代は別途支払うのがスタンダードです。
最初に掛かる費用 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
混合ワクチン | 16,000円~36,000円 (8,000円~12,000円×2~3回) | 種類・病院によって異なる ネットで決済&診察予約が 出来る動物病院 |
狂犬病予防注射 | 3,000円~3,500円 | |
健康診断 | 1,000円~3,000円 | |
畜犬登録 | 3,000円 | 地域によって異なる |
お世話グッズ | 30,000円~50,000円 | ハウス・トイレ・ケア用品など |
計 | 53,000円~95,500円 |
最初に最低限揃えておいた方が良いお世話グッズは、サークル(床・屋根なし)、クレート、ケージ(床・屋根あり)、トイレトレー、トイレシーツ、給水器、食器、消臭剤、ブラシ、コーム、おもちゃなどです。
フードは、しばらくの間子犬を引き取るペットショップやブリーダーで与えていたのと同じものを与えるようにします。
毎年掛かる費用
トイプードルの場合、他の犬種と大きく変わるのは月に一度のトリミング費用です。
毎月カットせずにシャンプーだけなら半額程度になりますし、自分でシャンプーやカットが出来ればこの費用は掛かりませんので、随分と費用が抑えられます。
毎年掛かる費用 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
フード+おやつ | 36,000円~72,000円 (月3,000円~6,000円) | 種類によって異なる |
トイレシーツ | 12,000円~24,000円 (月1,000円~2,000円) | 種類によって異なる |
ケア用品 | 6,000円~24,000円 (月500円~2,000円) | シャンプー・イヤークリーナーなど |
トリミング | 96,000円~120,000円 (8,000円~10,000円×12回) | 地域・美容室によって異なる |
狂犬病予防注射 | 3,000円~3,500円 | 種類・病院によって異なる ネットで決済&診察予約が 出来る動物病院 |
混合ワクチン | 8,000円~12,000円 | |
フィラリア予防薬 | 6,000円~16,000円 | |
健康診断 | 1,000円~3,000円 | |
計 | 162,000円~250,500円 |
平均すると20万円程度になりますので、生涯を通じると300万円程度の出費です。
これくらいのお金の余裕が無ければ飼えない犬種であるという事を頭に入れておいた方が良いでしょう。
必要に応じで掛かる費用
一般家庭でトイプードルを飼うのならば、余計なストレスを与えず、病気を防止する目的もかねて去勢や避妊手術は必須です。
必要に応じで掛かる費用 | 費用の目安 | 備考 |
---|---|---|
しつけ教室 | 5,000円~10,000円 | 継続的かつ複数回の受講が必要 |
去勢・避妊手術 | オス:20,000円~80,000円 メス:30,000円~90,000円 | 病院によって異なる ネットで決済&診察予約が 出来る動物病院 |
病気・ケガの治療 | さまざま | |
服 | さまざま |
また、病気やケガの治療で思わぬ出費につながるケースもありますので、ぺット保険などを活用すればある程度不測の事態にも備える事が出来るでしょう。
トイプードルの飼育に最初に必要なお世話グッズ
ペットショップから子犬を迎える場合は、そちらでの購入も可能ですが、ネットの方が品揃えや価格面で買い易いものが多いので、おすすめのアイテムを紹介しておきます。
サークル
トイレトレーニングの事を考えると、犬の寝床は「クレート」などの小さいもの、トイレは「サークル」内に設置するのが一般的に好ましいと言われています。
トイレを覚えるまでは、クレートの中で過ごさせ、トイレのタイミングでトイレシーツをセットしたサークル内に出して排便・排尿させて、褒めて遊んであげると言うあんばいです。
トイレを覚えさせたら普段はケージで過ごさせるのか、それともサークル内で過ごさせるのか、はたまた部屋で放し飼いにして夜だけクレートに入れるのかによりますが、サークルを長く使う予定なのであれば金属製のしっかりしたものの方が良いでしょう。
サークルの比較 | ||||
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製品 | ||||
サイズ | 100×100×50cm | 62×62cmのパネル 8枚 | 124×124×62cm | 203×153×102cm |
備考 | 非金属 | 金属サークル 8面 | 金属サークル | 金属サークル |
クレート
トイプードルは成犬で2~4kg程度。体高は24~28cm程度が標準とされていますので、Sサイズのクレートでも問題はなさそうですが、成犬になったときの大きさの予測が難しいのと、普段の寝床としてクレートを使用する前提で考えるのであれば、Mサイズを選んだ方が無難だと思います。
因みに我が家のマルプーは体重5.5kgになりましたので、Mサイズを選びましたが車での長時間の移動などを考えるとSにしなくて正解でした。
電車などでの移動を前提としているのであれば、Mでは持ち運びには大きすぎますのでSサイズがベターでしょう。
クレートの比較 Sサイズ | ||||
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製品 | ||||
生産国 | 日本 | イタリア | 中国 | 不明 |
カラー | ブラウン/ピンク | ブルー/ピンク | ピンク/ブラウン/グレー | ブルー/レッド |
サイズ | 31.5×47.0×28.5cm | 31.5×48.0×31.0cm | 32.0×49.0×26.0cm | 29.0×46.0×28.5cm |
最高体重 | 5 Kg | 不明 | 不明 | 不明 |
重さ | 1.5kg | 1.25kg | 1.6kg | 1.7kg |
扉両開き | ○ | - | ○ | - |
扉取り外し | ○ | - | ○ | - |
シートベルト固定 | ○ | - | - | - |
クレートの比較 Mサイズ | ||||
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製品 | ||||
生産国 | 日本 | イタリア | 中国 | 不明 |
カラー | ブラウン/ピンク | ブルー/ピンク | ピンク/ブラウン/グレー | ブルー/レッド |
サイズ | 36.5×57.0×36.5cm | 36.0×55.0×35.0cm | 39.0×59.0×33.0cm | 37.5×53.5×37.0cm |
最高体重 | 8 Kg | 不明 | 不明 | 不明 |
重さ | 2.0kg | 1.7kg | 2.4kg | 3.0kg |
扉両開き | ○ | - | ○ | - |
扉取り外し | ○ | - | ○ | - |
シートベルト固定 | ○ | - | - | - |
価格的にはどれも大きな差はありませんが、「リッチェル」の製品は日本製ですし、車のシートベルトに固定できる機能があったりと使い勝手が良く、デザインもシンプルで癖がありません。
ケージ
小型犬用のケージは、概ね大きさが統一されていますので、屋根や必要な付属品の有無で考えて行くと良いでしょう。
子犬のうちはクレートとサークルで過ごさせるのであれば、ケージはすぐには必要になりません。
ケージの比較 | |||||
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製品 |
| ||||
カラー | ブラウン | ブラウン | グリーン/イエロー | ||
屋根 | ○ | 別売 | ○ | ||
サイズ | 94×67×65cm | 90×62×60cm | 92×63×60cm | ||
付属品 | トイレトレー | トイレトレー | トイレトレー | ||
給水器 | 給水器 | 給水器 | |||
餌皿 | おもちゃ | 餌皿 | |||
クッション | - | - |
トイレトレー
小型犬のトイプードルは、レギュラーサイズで充分です。
トレーの形状には平面タイプ、周囲が壁で囲まれているウォールタイプ、パネルが2枚ついているL字タイプの3種類がありますが、オスは生後半年くらいから足を上げてマーキングをする場合がありますので、L字タイプ、メスの場合は平面タイプ、ウォールタイプがおすすめです。
また、メッシュパネルが付いていないタイプは、子犬がシーツをガジガジかじって食べてしまう事がある為、メッシュパネルは必須だと思います。
ケージの比較 | |||
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製品 | |||
形状 | 平面 | ウォール | L字 |
カラー | ブラウン/ピンク | ブラウン/ピンク | ブラウン/ピンク |
サイズ | レギュラーサイズ | ||
48.0×35.0×4.0cm | 48.5×35.5×16.0cm | 48.0×33.0×8.5cm | |
メッシュ | ○ | ○ | ○ |
トイレシーツ
トイレシーツは一日に何枚も使うものなので、多少の吸水性や消臭効果に差はありますが、やはり一番の選ぶポイントは1枚あたりの価格です。
ペットショップやドラッグストアなどでは1枚10円程度で売られていますが、ネットで箱買いすれば送料を含めても5円程度で買う事が出来ます。
ケージの比較 | ||||
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製品 | ||||
サイズ | 45.0×33.0cm | 44.0×33.0cm | 44.0×33.0cm | 45.0×34.0cm |
枚数 | 800枚 | 800枚 | 800枚 | 800枚 |
参考価格 /1枚(送料込み) | 4.96円 | 5.36円 | 5.40円 | 5.40円 |
備考 | 送料別 | 送料込み 定期便で更に 10%OFF | 送料込み | 送料別 3,980円以上 送料無料 |
給水器
給水器にはノズルタイプとディッシュタイプがあり、ディッシュタイプの方がガブガブ水を飲めるので、ワンコはディッシュタイプの方が好きだと思います。
ただし、ディッシュの水の中にマズルの下の部分が浸かる為、トイプードルなどのモフモフ系のワンコだと口の周りがビショビショになってしまいます。
更に周りに水をこぼしまくる場合もあるので、管理が結構大変です。
私の場合はノズル→ディッシュと使って、またノズルに戻しました。
ペットショップなどでは、ノズルタイプの吸水器が取り付けられている事が多いのはその為でしょう。
給水器の比較 | ||
---|---|---|
製品 | ||
カラー | ブラウン/ピンク | ブラウン/ホワイト/ピンク/グリーン |
タイプ | ディッシュ | ノズル |
最大容量 | 500mℓ | 500mℓ |
スリッカーブラシ
トイプードルは、放っておくとどんどん毛が丸まって毛玉になってしまいます。
あまりにも毛玉が多い場合は、美容室でシャンプーやトリミングを断られるケースもありますので、コームはともかく、スリッカーブラシによる毎日のお手入れが欠かせません。
マルカン スタイルズ スリッカーブラシ トイプードル用 S DP-695
トイプードルの子犬の選び方
子犬を迎え入れる先としては、ペットショップが最も馴染みが深いと思いますが、インターネットを活用すればブリーダーから直接引き取る事も可能です。
ペットショップで販売されている子犬も、ブリーダーが繁殖させた犬ですし、ブリーダー自身がペットショップを経営している場合もありますが、それぞれ良い点と悪い点がありますので、どちらから引き取るにしても注意が必要です。
ペットショップとブリーダー比較
ペットショップも、ブリーダーも商業目的で子犬を繁殖・販売している為、どちらにも悪徳業者が存在し、賛否が分かれるところですが、両者の特徴をざっと挙げると以下の通りです。
ペットショップ | ブリーダー | |
---|---|---|
見学 | 店舗の為気軽に出来る。 接客レベルも良い。 | 個人宅の場合が多く、 予約が必要。 子供同伴不可の場合がある。 |
犬種 | 多い | 少ない |
専門性 | 多くの犬種を扱っている為、 低い。 | トイプードルだけをブリーディングさせている場合は高いが、多くの犬種を扱っているならこの限りではない。 |
美容室・ペットホテル | 併設されている事が多く、利便性は高い。 | なしの場合が多い。 |
親犬の気性 | 確認出来ない。 | 確認出来る。 |
繁殖環境 | 確認出来ない。 | 確認出来る。 |
乳児時代の環境 | 確認出来ない。 | 確認出来る。 |
彼らにとって子犬は商品ではありますが、あまりにも利益や効率ばかりを優先して、扱いが適当だったりするペットショップやブリーダーは避けた方が賢明ですので、以下のポイントを確認しましょう。
- 飼育環境は衛生的か?
- 1頭あたりのスペースを広めにとっているか?
- トイプードルの長所・短所を教えてくれるか?
- ワクチン接種状況を把握しているか?
- 生後8週以上親犬の元にいたか?
- 極端に安い価格ではないか?
- アフターフォローがあるか?
生後2ヶ月くらいの子犬は、小さくてとても可愛らしいものですが、あまりにも早く母犬や兄弟犬達の元から引き離された子は、社会性が身に付きにくく、問題行動を起こしやすくなる傾向があります。
また、ブリーダーがドッグショーにチャレンジしているようであれば、仔犬たちは気性が穏やかである可能性が高くなります。
なぜなら、気性の激しい子は初対面の審査の先生に、容易には体を触らせてくれないからです。
子犬を選ぶ上で押さえておきたい2つのポイント
子犬の選ぶ際のポイントは、大きく分けると健康面と気性面のたった2つです。
健康面でのポイント
- 目の周りが汚れていないか、充血していないか
- 耳の中は汚れていないか、変な臭いはしないか
- 鼻は適度に湿っているか(寝起き以外)
- 歯の色はきれいか
- 口臭はないか
- おしりは汚れていないか、下痢をしていないか
- 尻尾はよく動くか
- 脚や歩き方に異常はないか
トイプードルは目ヤニが出易く、目の周りが茶色く汚れてしまう子が多いのですが、なるべく目の周りが汚れていない子を選んだ方が後のお手入れが楽になります。
気性面でのポイント
トイプードルは全体的にはとても人懐っこく、頭も良くて穏やかな性格の犬種ですが、その人気ゆえに無理な繁殖をしている業者も多く、血統によっては神経質であったり、攻撃的で噛みつきやすい子も出てきます。
子犬を呼んだ時にケージからすぐに出てくる子は、活発で好奇心旺盛ですが自己主張が強い可能性が強く、逆に最後に出てくる子は警戒心が強い傾向があります。
この場合、社会性を身に着けさせるのが大変ですが、従順で大人しい子になる傾向が強くなります。
子犬を引き取った日からやるべき事
晴れて家族の一員になった子犬に、初日からすべき事はトイレトレーニングと給餌です。
トイレトレーニング
トイレトレーニングの基本は、自分の寝床では排泄をしないという犬の習性を利用し、正しい場所で犬に排泄させて、すかさず褒めることを繰り返すだけなのですが、最初はクレートを寝床、サークルをトイレとして扱います。
サークルを60×60cm程度に区切った状態で、そこにトイレシート、またはトイレトレーを敷いておきます。
子犬を家に連れて帰ってきたら、サークルの中に移して排尿もしくは排便させます。
排尿しない場合は、1時間ごとに出し入れを繰り返し、排尿したタイミングで「シーシー」や「ワンツー」などの掛け声をかけて、排尿と言葉を関連付けて覚えさせ、排尿が終わったらすかさずフードを与えて思いっきり褒めてあげます。
子犬の排尿の時間は、月齢+1時間と言われていますが、飼育の環境や個体差が激しく、2~3ヶ月程度でも1時間ごとに排尿する場合もありますので、子犬の状態をよく観察する事が重要です。
尚、同じやり方をしても犬の性格によって覚える早さはまちまちで、1週間でマスターする子もいれば、半年以上掛かる子もいますので、失敗しても感情的にならずに気長に出来るまで待ってあげる事も必要でしょう。
フードの与え方
成犬は1日に1度の食事で大丈夫ですが、子犬の場合は成長に大きなエネルギーを必要とする為、同じ体重の成犬に比べると1.5倍以上の餌を食べるので、消化吸収がスムーズにいくように3回程度に分けて与えます。
ペットショップなどの場合、営業時間や従業員の労働時間の問題で強引に2回にしてしまっている場合がありますが、家に連れて帰ってからは3回に分けて与えた方が子犬がしっかり栄養を吸収出来ます。
尚、フードの種類はペットショップやブリーダーで与えられていたものをしばらく使用し、慣れてきた頃に別のものに切り替えても良いでしょう。
(ライター:マルコ)