我が家がシベリアンハスキーを選んだわけ
「シベリアンハスキーが欲しい。」
長女の突然の言葉に、私たち家族は大変驚きました。
きっかけは、みんなで読んでいた某獣医師漫画。
その漫画に出てくるメインキャラクターが、娘が一目惚れしたというハスキー犬でした。
代々、犬を飼ってきた我が家ですが、四年前に先住の秋田犬を亡くしてから、飼っていた頃の喜びよりも別れの時の傷が癒えず、娘をはじめ、誰も犬を飼いたい、と言わなかったのです。
娘の一言がきっかけとなり、とんとん拍子に話は進みました。
過去のハスキーブームが去った今では、近くにブリーダーを探すことは困難で、
遠方の専門ブリーダーは高額…。
どうしたものかと頭を悩ませていたその時、ふらっと立ち寄った、地元のペットショップのショーケースにシベリアンハスキーの子犬を見つけました。
偶然の出会いから10ヶ月。
嬉しそうに抱きかかえた娘よりも大きくなって、今では大切な家族です。
「さつき」と名付けられたその子は、我が家の五人の子供達の見守り役として、日々を穏やかに過ごしています。
シベリアンハスキーの一般的なイメージ
私もそうでしたが、シベリアンハスキー=そりを引っ張る犬で、寒さに強いイメージが8割り方締めていました。
まるでオオカミの様な風貌で、仲間意識が強くて…。
マイナスイメージとしては、悲しい結末を迎えたハスキーブームの原因となった無駄吠え、気性の荒さ、その性格故か、人を噛むかもしれない!など…。
実際に飼うとなると、必ずリスクの方を考えてしまいます。
特に乳幼児もいる我が家でしたので、ハスキー犬につきまとうマイナス面を考慮せざるを得なかったのです。
実際にシベリアンハスキーを飼ってみたら?
勝手に作り上げたシベリアンハスキーのイメージは、さつきを迎えてから大逆転しました。
合っていたのは、雪が大好き、というところでしょうか。
我が家に来て初めての冬を迎えた時、雪の中に飛び込んでいってなかなか帰ろうとしなかった姿は、イメージそのものでした。
強靱な肉体と精神を持っているかと思いきや、もともとが臆病なのか、知らない人が訪ねてくると、私の後ろに隠れてみたり…。
子供の遊び相手も得意で、というより、同じ年頃の兄弟のように一生懸命遊んでいました。
まるで息子が一人増えた様な毎日は、大変ですがとても充実していました。
気になる無駄吠えもなかったのですが、何度注意しても甘噛みだけは長く続きました。
特に遊びに夢中になっている時は見境なく、怪我をする様なことはないものの、子犬とはいえエネルギッシュなハスキー犬、痛い思いをしたものです。
シベリアンハスキーのここが好き・ここが大変!
我が家のハスキーの一番好きなところは、自分を人間だと思っているんじゃないか?とこちらが感じてしまうほど、人間っぽさがあるところです。
例えば、子供達みんなでお菓子を分け合っていると一緒に並んでいたり、お客さんが来ると軽やかな足取りでドアに向かい、そっとのぞいてみたり。
下の子供が泣き出すと、ドアの隙間から鼻先だけ出してじっと見つめて、それに気付いた子供が泣き止んで大喜び、仲良く一緒に遊んだりと、犬なのに人情溢れるその行動に、家族みんなを笑顔にしてくれます。
大変なのは遠吠えをすることで、救急車や消防車のサイレンにはかかさず遠吠えしてしまいますし、それが夜中であろうとおかまいなしに反応にてしまうのには参りました。
焼き芋屋さんや古新聞屋さんなど、遠くで鳴っていて人間には聞こえないものにも、遠吠えします。
逆を取れば、「あ、そろそろ来るのかな?」というサインにもなるため便利ではありますが、ご近所さんとのお付き合い上、夜中にやってしまった時などは、翌日謝罪しなければならなかったり、気を遣うことも必要です。
遠吠えに関しては子犬の頃は全くなかったのに、1歳を迎える最近が一番増えてきているので
これからも無くなることはなさそうです。
近い先祖にオオカミがいる、ということが関係しているのか、こればかりはどうしようもないのかも…と、諦めています。
健康面においては優良児でして、痛い思いも経験がないため、予防接種等で動物病院へ出かける時も、大はしゃぎです。
運動量が日に日に増えていくことは飼い主として大変な面もありますが、いきいきと外を楽しむ姿は、アグレッシブな飼い主さんであれば一つの楽しみになると思います。
家族の一人一人にランク付けしている所は鮮明に見受けられますが、我が家ではそれが問題となることもなく、夫には忠実、私には甘えん坊、子供達には多くの場合遊びを求め、自身も兄弟の一員だと感じている様です。
兄弟の中でも末っ子はまだ10ヶ月で、ハイハイだけの赤ちゃんのためか、その子が持っているお菓子やおもちゃを取らないことから末っ子には「一番弱い存在」として、気を遣っているかもしれません。
初めて迎えたハスキー犬、いろいろな不安もありましたが、それらを全て吹き飛ばしてくれたさつき。
ちょっぴりシャイで、でも一緒にいたい、そんなツンデレの彼ですが、家族の輪の中にいなくてはならない唯一無二の存在です。
いつか私たちの年齢を越してしまう時が来ますが、それでもずっとさつきは私たちの子供だよ、と、変わらぬ愛情で育てていきたいと思います。
(ライター ミルフィ)